こんにちは!蒲田・浜松町の英会話パーキー です。

今回はニュースでよく聞く「ソーシャルディスタンス」について、英語の用法を解説していきたいと思います。

英語圏では「ソーシャルディスタンス」と言わない!?

私たちは「ソーシャルディスタンス」という言葉を、『感染拡大を防ぐために人と人との物理的距離を取ること』という意味合いで使っていますね。

冒頭から衝撃の事実をお伝えしてしまうのですが、実は私たちが現在使っている「ソーシャルディスタンス」という言葉は、英語の本来の意味とは違うんです!

” social distance ” という言葉自体はある

ソーシャルディスタンスという言葉自体は、英語でも存在しているのですが、これは違った意味を持つ言葉。

私たちからすると「ソーシャルディスタンス」という言葉に慣れてしまってるので、これが「英語圏では違う意味なんだよ」と言われるとなんだか不思議な感じです。

ソーシャルディスタンス!と言われたら、サッと人との距離をとってしまうぐらい、もうすでに日常生活の中にしっかりと根付いていますよね(笑)

さて、ソーシャルディスタンスが感染対策という意味ではないよ!
ということをお伝えできましたので、ここから本題に入ります。

distance」と「distancing」で、どのような意味の違いが生まれるでしょうか?

次から解説していきます。

social distanceとsocial distancingの意味とは?

Social Distance:
差別や偏見などにより、特定の人物やグループを排除すること。
また、社会的・心理的に、その人たちとの接触を回避すること。

Social Distancing
疫病の感染拡大を防ぐために、意図的に人との物理的距離を保つこと。

Social Distanceは社会学で使われる用語で、どちらかというと『心の距離』のニュアンスが大きくなります。

Social Distancingは公衆衛生戦略で使われる言葉で、いわゆる「●メートル離れる」という物理的な距離のお話です。

つまり、感染対策を表すワードは、
正しくは「ソーシャルディスタンス」ではなく「ソーシャル・ディスタンシング」の方だったんですね。

フィジカル・ディスタンシングという言葉もある

なお、WHO 世界保健機関 では公式サイトにて「Physical Distancing」=フィジカル・ディスタンシングというワードを使っています。

Physical distancing helps limit the spread of COVID-19 – this means we keep a distance of at least 1m from each other and avoid spending time in crowded places or in groups.

身体的な距離は、COVID-19の蔓延を制限するのに役立ちします。
つまり、互いに少なくとも1メートルの距離を保ち、混雑した場所やグループで過ごすことを避けるということです。

distanceとdistancingの文法的違い

それでは意味の違いが分かったところで、
なぜ「ディスタンス」と「ディスタンシング」で意味の違いが生まれるのか、文法的に解説していきます。

ingがつくと動名詞

ディスタンスには、みなさんご存知の通り「距離」という意味があります。

distance:
(名詞)距離、隔たり
(動詞)距離をとる

一方、ディスタンシングは「distance」に「ing」がつくことで動名詞になっています。

distancing:
(動名詞)距離をとること

日常生活の中で、人との身体的距離をとるということは、
自分から距離をとる、あるいはお互いに離れるということですよね。

なので、表現に「動作」のニュアンスが必要になります。

意味的には、動詞のdistance(距離をとる)なのですが、
これを名詞としてつかうためにing」をつけて動名詞にしているということです。

distanceを名詞としてそのまま使うと、動きのニュアンスが出ないので、
social distance=社会的な隔たり という意味合いになってしまうんです。

私たちの感染対策って、毎日の社会生活を送る中で、自分たちが人との距離をとることですよね?

そこには「動き」があります。だから動名詞を使うのです。

“social distance”と”social distancing”の違いとは?距離に関する英語表現!

今回はディスタンスとディスタンシングの違いについて解説させていただきました!

まさかソーシャルディスタンスに違う意味があったとは・・・
なんだか変な感じがしますが、やはり文法的には「動名詞」が重要というお話でした。

今度お友達と感染対策の話になったときは、「海外では “ソーシャルディスタンシング” って言うらしいよ」と豆知識をお話してみてください。

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