投稿日:2025年6月8日  最終更新日:2025年6月8日

こんにちは!英会話パーキースタッフです。

心機一転英語の勉強を始めよう!と思ったそこのあなた。英語には「イギリス英語」と「アメリカ英語」という大きな括りがあるのはご存知ですか?ちょっとした方言の違いくらいと高を括っていると大変な目にあってしまうかもしれません。

今回はそんな「イギリス英語」と「アメリカ英語」の違いについて紹介します。

どちらを使っている人が多いの?

今から英語をはじめようとしている方の中には、どうせなら使っている人が多い方を勉強した方が良いのでは?と思っている方もいるのではないでしょうか。

実は使用している国の数はイギリス英語の方が多いのです。これは歴史的な背景や地理的な条件が揃った結果、「国の数としては多い」という状態になっているだけで、使用人口で見ると圧倒的にアメリカ英語の方が多くなります

ただし、どちらかしか通じないということは無いので、片方しか勉強していないからもう一つの英語を使用している国では言葉に困る、ということはありません。

実は日本人が勉強している教科書は大半がアメリカ英語なので、アメリカ英語のスペルや単語に親しみがあるものが多いのですが、発音や聞き取りやすさについていうとイギリス英語の方が得意な人が多いという何とも不思議な状態にあるのです。

YouTubeなどにも違いを解説した動画がたくさんあるので、学習を始める前に聞き比べてみてもいいかもしれません。

大きな違い

発音の違い

発音の違いが英語初学者にとって一番大きな壁かもしれません。

有名なものでは

・「R」の発音の違い:イギリスでは単語の中にあるRは発音されず、無いように聞こえる
・「T」の発音の違い:イギリスではTが単語の最後に来る場合ははっきりと発音される
・母音の違い:bar/ need/ heardなどはイギリス英語の方が伸ばす部分が長く聞こえる
で、これら3つの条件がそろった単語で有名なのが「water」です。

Rが単語の中にあるので発音されず、Rが消えたことでTが最後にきてはっきりと発音され、母音が長く聞こえるというイギリス英語の発音要素が詰まった単語といっても過言ではありません。

文法の違い

(イギリス英語) I’ve lost my key. / 鍵を無くしました(今も無い状態です)。
(アメリカ英語) I lost my key. / 鍵を無くしました。

文法上では、「前置詞の違い」や「過去形・完了形の違い」が顕著な違いです。最近起きたことで今もまだ継続していることを言う場合、アメリカでは「過去形」で表されるのですが、イギリスでは「現在完了」で表されることが多いです。

上記の例文の場合、イギリス英語の場合は I lost my key. の言い回しは正しくないと思われているようですが、アメリカ英語の場合はどちらでもOKと思われているようです。

アメリカ英語の場合はalready, yet, justを過去形と併せて使うのが特徴です。

単語の違い

1)同じ単語で意味が違う

単語イギリス英語 アメリカ英語
chips フライドポテトポテトチップス
biscuitクッキースコーン
footballサッカーアメリカンフットボール

2)同じ意味で単語が違う

意味イギリス英語 アメリカ英語
長期休暇holidayvacation
トイレtoilet / loorestroom / bathroom
携帯電話mobile phonecell phone
ゴミrubbishgarbage / trash
アパートflatapartment

スペルの違い

単語の違いと同じような内容ですが、スペルの違いも2つの英語を分ける大きな違いといえます。ただし、スペルの違いはある程度ルールに則ったものになるので、覚えてしまえばそんなに気になるものではありません。

-or / -our
color (アメリカ英語) / colour (イギリス英語)
rumor (アメリカ英語) / rumour (イギリス英語)

-er / -re
center (アメリカ英語) / centre (イギリス英語)
theater (アメリカ英語) / theatre (イギリス英語)

-ize / -ise
realize (アメリカ英語) / realise (イギリス英語)
organize (アメリカ英語) / organise (イギリス英語)
recognize (アメリカ英語) / recognise (イギリス英語)

-ll / -l
traveled (アメリカ英語) / travelled (イギリス英語)
canceled (アメリカ英語) / cancelled (イギリス英語)

-e / -ae
anemia(アメリカ英語) /anemia(イギリス英語)
pediatric (アメリカ英語) / paediatric (イギリス英語)

2つの違いが起こす「よくある失敗」

2つの英語の差で最も有名な失敗は「1階の表現の違い」ではないでしょうか。アメリカ英語で「first floor」は1階ですが、イギリス英語でFirst Floorは1階から数えて「1つ目のフロア」なので2階を表し、1階のことは「grand floor」と言います。1階はGrand Floorの頭文字の「G」もしくは「0」と表記されていることが大半です。

そして2階からfirst, second,  thirdと1つずつ増えていきます。

この違いを理解していない限り、いつまでも集合することはできません。

他にも、日本でもよく使う「エレベーター/ elevator」はアメリカでは一般的に使われますが、イギリス英語では「lift」といいます。elevatorでも通じない訳ではないのですが、普段から日常的に使うのはliftのため、急に言われると「?」となる人もいるようです。

大失敗!注意しておきたい「反対の意味を持つ単語」

実はアメリカ英語とイギリス英語の中には、とんでもない間違いを引き起こすような反対の意味を持つ単語があります。

有名なものは「homely」です。

I think that she is homely.
(英)彼女は家庭的だと思うよ。
(米)彼女は器量が悪いと思う。

homelyを辞書で引くと、
〈米〉〔人が〕美しくない、ルックスの悪い
〈英〉〔家・部屋・雰囲気などが〕快適な、くつろいだ気分になれる
というとんでもなく反対の意味が出てきます。自分は褒めたつもりだったのに、人のことを悪く言う人判定をされてしまってはたまったものではありません。

他にも、スラング的な使い方にはなりますが、「bomb」はアメリカでは「大失敗(大コケ)」、イギリスでは「大成功、魅力的な人や物」という意味で使われることがあります。

ただしこれに関しては、アメリカでも「超ステキなヤツ」というポジティブな意味のスラングで使ったり、イギリスでは「大金」を表して「make a bomb = 大成功する」「cost a bomb = 大金がかかる、とても高価だ」などという言い回しもあるため、文脈次第で何でもアリ!という感じではあります。

いかがでしたか?実はイギリス英語とアメリカ英語には小さいようで大きな違いがあります。ちょっと英語に慣れてきたらドラマや映画の聞き比べをしてみても楽しいかもしれませんね。