投稿日:2025年8月14日  最終更新日:2025年8月14日

皆さんこんにちは!英会話パーキースタッフです。

皆さんは英語の勉強をする時に、何につまずいた覚えていますか?多くの人が「複数形」だと答えるのではないでしょうか。

今回は、なぜ英語の複数形には不規則なものがあるのか、また覚え方などはあるのかについて解説します!

なぜ英語には複数形が不規則なものがあるのか

英語の複数形といえば、名詞に「-s」や「-es」をつけるのが基本ルールです。でも実際には「man → men」や「child → children」など、ルール通りに変化しない単語が意外とたくさんあります。実はこの「不規則な複数形」には英語の“歴史”が大きく関係しています。

英語はもともと、ゲルマン語や古英語という、今とはまったく違う文法を持つ言語がベースになっています。昔の英語、特に古英語では、複数形を「語尾」ではなく「母音を変える」ことで表すのが一般的でその名残が、今も一部の単語に残っているのです。

また、ラテン語やギリシャ語など、他の言語から取り入れた単語も多いため、それぞれの言語のルールを引き継いだ“例外”も混ざることで、より複雑な変化になったのです。

つまり、英語の不規則な複数形は、「長い歴史と外来語のミックス」の結果といえます。

複数形が変化しやすいカテゴリーを覚える

なぜ英語の複数形が複雑で不規則に変化するものがあるのかについて分かったところで、ここからは「不規則になりやすいカテゴリー」を紹介します。

人・関係性に関する単語

人間を表す単語は、昔の英語のルールが残っていて不規則になりがちです。

単数形複数形
manmen
womanwomen
childchildren
personpeople / persons

動物の名前

家庭や農業で昔から人と関わり合いがあった動物は不規則な変化をすることが多いです。

単数形複数形
mouse(ネズミ)mice
goose(ガチョウ)geese
ox(ウシ)oxen (かなり特殊!)

体の部位

体に関する単語にも不規則なものがあります。

単数形複数形
footfeet
toothteeth
louse(シラミ)lice

シラミは寄生虫ですが、身体や頭に付くことから「身体に関連する」とまとめて覚えておくと◎

ちなみに、「goose bumps / 鳥肌」のgooseは単数形で、bumps(ふくらみ、ぶつぶつ)の部分は複数形になります。複数の鳥の皮膚を連想しているわけではないという意味あいもありますが、比喩表現の一部になる単語は基本的に単数形で扱われます。

cat nap(ちょっとした昼寝)→「猫のような短い眠り」
horsepower(馬力)→「1頭の馬が出す力」

さらに特殊な「単複同形」

複数形で形が変わるものを紹介しましたが、ここからは複数形でも形が変化しない「単複同形」の単語をカテゴリーごとに紹介します。

動物の名前(群れや集合で数えるもの)

複数形で形が変わりやすい動物ですが、単複同形が多いのも動物です。特に狩猟や漁業で扱われる動物に多く、「そこにいる数よりも種類」が重視される傾向にある動物が単複同形であることが多いです。

単数・複数
sheep
deerシカ
fish魚(種類を区別しない群れの時)
salmonサケ
troutマス
mooseヘラジカ
bisonバイソン

fishについては、複数形fishesとして使うこともあります。単複同形のfishは同じ種類の魚もしくは種類が同じかどうかは関係なしに単に魚の数を表し、複数形fishesは異なる種類の魚がいることを示しています。fishesの方は種類の違いがあることや生物分類上の多様性を強調する、ややフォーマルで学術的な書き方となります。

fishは「量」、fishesは「種類」という大まかなイメージで覚えておけばOKです。

学術用語 (ラテン語・ギリシャ語由来)

学術や論文でよく見かける単語は、由来となった古典語のルールを今でも引き継いでいて、単複同形であるものが多くみられます。身近なものでは理科で使う単語も単複同形になりやすい傾向にあります。

単数・複数
species種(生物的な)
seriesシリーズ・連続
offspring子孫・子
dataデータ

dataの本来の単数形は「datum」ですが、現代英語では「集合的な情報の塊」として「data」が使われ、単数形「datum」が使われなくなりました。特にIT分野においてデータという言葉自体が「無数の情報の総称」として扱われるため、1つひとつを意識する必要が無くなり、「data」が実質的に不可算名詞となった、「時代とともに進化した単語」ともいえます。

乗り物・機械・道具

集合体として捉えられるものは単複同形になることが多いです。

単数・複数
aircraft飛行機
spacecraft宇宙船
hovercraftホバークラフト
sledそり(一部単複同形扱いされることがある)

「craft」には「技術」「道具」の意味があり、それが複数になっても変わらない単語になります。

airplaneはジェット機、プロペラ機、旅客機など固定翼(wings)を持ち、空港から滑走して飛ぶ、いわゆる「飛行機」の事を指し、複数形はairplanesです。aircraftはヘリコプター・ドローン・気球・軍用機・無人機などもすべて含めた「飛ぶ機体」を指すため、技術的・軍事的・法律文書などでよく使われます。

特殊ケース 集合名詞や概念

ものの数というよりは、集合や抽象概念のため、単語も形を変えることはありません。「形は複数形だけど、意味は単数である」ということもある、トリッキーなカテゴリーです。

単数・複数
headquarters本社・本部
crossroads交差点(単数でも複数形の形をとる)
gallows作品群

このような単語は慣用的に形が決まっているため、単数でも複数でも形が変わることはありません。

いかがでしたか?不規則な複数形については覚えるしかない!と教わった人もいるかと思います。苦手意識を持ったまま丸暗記するのではなく、どのようなカテゴリーが不規則になりがちなのかを理解しておくだけでかなりおぼえやすくなったのではないでしょうか。